家庭内の家電製品の中で、特に処分が難しいのはテレビなどの家電リサイクル法に基づく製品ではないでしょうか。自治体の粗大ごみとして捨てることができないため、処分には手間がかかりますね。
手間がかかるには理由があり、間違った処分や不法投棄などは環境破壊に繋がり人体にも悪影響を及ぼします。さらに、再利用可能なものは、リサイクルを通じて資源を効果的に活用することができます。
環境への影響からテレビの正しい処分の方法まで、解説していきます!
テレビ処分の重要性
環境への影響
家電に使用されているプラスチックや金属などは、最終的に埋め立て処理がされることになります。
家電4品(テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコン)は内部に非常に固い部品が使われており、市町村の大型ごみ処理施設での破砕や焼却による処分が難しいとされています。
その結果、ほとんどの場合、埋め立てて処分されていましたが、最近では廃棄物処理場の不足も問題視されています。
大型家電製品に含まれる鉛は、焼却するとダイオキシンなどの有害物質が発生するため、適切に処理する必要があります。
一部の家電製品は、人体に悪影響を与える可能性があるにもかかわらず、海外に輸出され、解体や焼却などに児童労働が使用されています。
その結果、幼い子どもたちが有害物質の影響を受けている状況があります。
これらは地球環境に多大なる悪影響を及ぼしているため、政府が積極的に部品のリサイクルを呼びかけています。
不法投棄の問題
家電リサイクル法の制定により、テレビなどの対象製品は粗大ごみとしての排出ができなくなりました。
その結果、山中などに違法に捨てられる不法投棄が増加しています。年間には7万台にも及ぶとされています。
家庭のごみ集積所に出す行為も不法投棄とみなされますので、絶対にやめましょう。
不法投棄されるものは、費用のかかる家電や産業廃棄物、建築廃材などが多いようです。
家電リサイクル法では、不法投棄は5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金などが課せられるとされています。不法投棄は法律違反です!放置した物の元の所有者が特定される場合があります。
不法投棄が私有地で行われた場合、自治体はそのごみを回収することができません。その土地の所有者や管理者が処理する責任があります。
家電リサイクル法とは?
家電リサイクル法の概要
家庭リサイクル法は、正式には「特定家庭用機器再商品化法」といいます。
一般家庭や事務所から排出されたエアコン・テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機などの特定家庭用機器廃棄物から、有用な部品や材料をリサイクルし、廃棄物を減量するとともに、資源の有効利用を促進するための法律です。
(経済産業省ホームページより)
対象となる家電製品
対象となるのは、家庭用機器「家電4品目」です。
1.エアコン
2.テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)
3.冷蔵庫・冷凍庫
4.洗濯機・衣類乾燥機
家電リサイクル法の役割
これらの廃家電を破壊することで、フロンガスや鉛などの有害物質が環境に放出される可能性があります。さらに、電池やプラスチックを含む家電が山積みにされて放置されると、発火や延焼の危険性が高まります。こうした環境問題に対処するために、リサイクル部品は再利用され、適切に管理された処理が行われるように法律が制定されました。
テレビの正しい処分方法7選
販売店に引き取りを依頼する
家電量販店などに依頼して引き取ってもらう方法もあります。新しい家電を購入する際には、古い家電を引き取ってもらえる場合が多く、最も一般的な処分方法と言えます。また、テレビのみを処分したい場合でも、購入した店舗に相談することもできます。
販売店は、メーカーに引き渡し一部がリユース(再利用)されることになります。
引き取りには「リサイクル料金」と「収集運搬料」がかかります。「リサイクル料金」はメーカーごとに、「収集運搬料」は家電量販店ごとに異なりますので、HPなどでご確認ください。
家電リサイクル受付センターに申し込む
東京23区にお住まいの場合、購入店舗を忘れてしまった場合でも、「家電リサイクル受付センター」を利用することができます。ただし、家庭用の機器のみが対象となりますのでご注意ください。
予約の際には、「品目」と「メーカー名」が必要です。収集日が確定したら、その日に自分で玄関先またはご自宅のゴミ集積所に家電を運搬する必要があります。業者にはリサイクル料金と運搬料を現金で支払い、その代わりに家電リサイクル券を受け取ります。
電話番号 | 03-5296-7200 |
受付対象 | 東京23区の区民と事業者 |
受付時間 | 月曜〜土曜(8:00〜17:00)※12/29〜1/3は休み |
ホームページ | https://kaden23rc.tokyokankyo.or.jp/Rc/Index |
このサービスは東京23区在住者に限られています。自分で家電を玄関先まで運ばなければならないため、労力が必要です。また、収集運搬料金はやや高めに設定されています。横浜や大阪でも同様のサービスが提供されています。
横浜家電リサイクル推進協議会
電話番号 | 0120-045-669 |
ホームページ | https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/gomi-recycle/gomi/shushufuka/kadenseihin/risaikurukyougikai.html |
大阪リサイクル事業共同組合
電話番号 | 0120-44-8780 |
ホームページ | http://www.orbc.jp/index.html |
自分で家電を玄関先やごみ集積所まで運ぶ必要があるため、自身で運搬ができない場合は大変な作業です。
自分で指定引取場所に持ち込む
お住まいの自治体の指定取引場所に、ご自身で持ち込む方法があります。この場合、郵便局の貯金窓口で家電リサイクル券(料金郵便局振込方式)を受け取り、必要事項を記入しリサイクル料金を支払います。
使わなくなった製品
支払い済みの家電リサイクル券の綴り一式
の2つを指定取引場所にお持ち込みください。
https://www.e-map.ne.jp/p/rkcsymap/ (一般財団法人家電製品協会) | 指定取引場所はこちらから検索することができます
テレビの画面サイズの調べ方
テレビの裏面にある「型名・型番」の表記を確認します。「58AB1C」や「58V」の場合は58インチを表しています。15インチ以下は区分「小」、16インチ以上は区分「大」となります。
テレビなどの大型家電の場合は車で運搬するので、運搬手段がない方は難しいでしょう。
リサイクルショップに売却
新しくて汚れのない家電の場合、リサイクルショップの買取サービスを利用することもできます。一部の店舗では出張買取サービスも提供していますので、ウェブサイトなどで情報を確認してみると良いでしょう。
ただし、大きすぎるものだと引き取れない場合もありますのでご注意ください。値段の価値が付かない場合は、回収料金を取られることもあります。
フリマアプリやネットオークションで売却
自分でネットオークションで販売する方法もあります。ただし、自分で商品の撮影から梱包、発送まで行う必要があるため、手間がかかることがあります。特にテレビなどの大型家電の場合、郵送料も比較的高額になります。
売り手にとって有利な取り引が成立すれば、リサイクルショップよりも高く売れることもありますが、買い手が見つからない可能性も考えられます。すぐに処分したい方は他の方法を選ぶと良いでしょう。
不用品回収業者に依頼
不用品回収業者に回収してもらう方法があります。家電リサイクル法の対象製品でも回収してくれます。運搬から回収まで、全てお任せできますので忙しくて時間がない人やひとり暮らして運搬が難しい方はお勧めの方法です。
使わなくなったテレビと同時に他の不用な品物もまとめて回収してくれる業者があります。
複数の品物を処分する人にとっては便利です。
一部の業者では無料の出張見積もりも行っているので、利用してみることもおすすめです。
また、買取サービスも行っている所もあるので、併せて利用すると回収料金がお得になります。
家電リサイクルの料金について
リサイクル料金の目安
回収には「リサイクル料金」と「収集運搬料」が掛かります。
リサイクル料金の目安
エアコン | 990円 |
テレビ(15型以下) | 1,320〜1,870円 |
テレビ(16型以上) | 2,420〜2,970円 |
冷蔵庫(170L以下) | 3,740円 |
冷蔵庫(171L以上) | 4,730円 |
洗濯機(衣類乾燥機) | 2,530円 |
収集・運搬料金
収集運搬料金は、2,618〜3,240円ほどです。
リサイクル券の購入方法
リサイクル券をご自身で購入する場合は、郵便局の貯金窓口・コンビニなどで購入することができます。
家電の品目(品目・料金区分コード)
メーカー名(製造業者等名コード)
が必須項目になりますので、事前に確認しておきましょう。
郵便局に備え付けの「リサイクル料金一覧表」からそれぞれのコードとリサイクル料金が確認できます。
リサイクル料金の振り込みは、窓口で手続きする方法と郵便局・ゆうちょ銀行のATMを利用する方法があります。
※ATMでの振込の場合は振込手数料が掛かります。
「振替払込受付証明書」をリサイクル券に貼り付けましょう。ATMで振込した場合は、ご利用明細書のコピーをリサイクル券に貼り付けます。
注意点とよくある質問
- 買い取り不可のテレビがある?
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テレビの買い取りには制限があります。
通常、テレビの耐用年数は5〜7年と言われています。製造から7年以内のテレビが主な買い取り対象となりますので、ご注意ください。テレビの修理用の部品は一般的に製造から8年間しか保持されず、8年を超えると修理が難しくなるためです。
- 不用品回収の悪徳業者って?
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最初は「無料」と謳っていても、荷物を積み込んだ後に「全てが無料ではない」と高額な請求をしてくる悪質な業者とのトラブルが報告されています。違法業者を利用するのは避けましょう。適切な「許可」を持つ業者を選ぶことが重要です。適切な「許可」とは、古物商の許可や地域の自治体からの委託などが含まれます。
- リサイクル券を紛失してしまったら?
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家電リサイクル券をなくした場合、不正利用のリスクがありますので、家電リサイクル券センターのコールセンター(フリーダイヤル 0120-319-640)にご連絡ください。
「受付時間:9時〜18時(日・祝休)」当該家電リサイクル券の管理票番号をお知らせいただくとスムーズです。念のため、管理票番号をメモしておくと安心ですね。
まとめ
テレビの処分は環境に配慮した方法
テレビを含む家電リサイクル法対象製品は、市町村のごみ処理施設で焼却することができないため、法律に基づいて適切に処分する必要があります。
不法投棄は周辺環境への悪影響や、山積みになった投棄物からの火災のリスクなど、環境破壊につながる可能性があるので、絶対に行わないようにしましょう。
適切な手続きでリサイクルを行う
家電製品には多くの再利用可能な部品が含まれています。その中でも特に再利用されるのはプラスチックです。
廃プラスチックは溶かされ、再びプラスチック原料や製品に再生され、コンテナやベンチ、土木建築資材などとして再利用されます。
地球上の資源は限られていますので、適切な手段で廃棄物を処理し、リサイクルに努めましょう。
これによって廃棄物の量を減らし、資源の効果的な利用を促進することが、私たちの未来につながります。
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